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ごみ辞典

海岸にはいろいろなものが落ちています。
きれいなもの、不思議なもの、危険なもの、何だか解らないものetc.、このページではそのいくつかを紹介します。

1.コアホドリの死骸と、誤飲されたごみ

北西ハワイ諸島はコアホウドリの繁殖地だが、毎年多くの幼鳥が命を落す。ヒナは自分ではえさをとれないので、親鳥から口移しで与えられるものを飲みこんで育つが、プラスチックの歯ブラシやライター、玩具などのさまざまなごみがその中に混じっている。その結果、消化器官が傷ついたり、体内のごみのために栄養不足で衰弱して、死に至ると見られている。(アラスカ大学 リチャード・ステイナー教授が1997年に撮影)

写真:コアホドリの死骸と、誤飲さかいれたごみ

2.医療ごみ

左の写真
注射器や注射針
右の写真
医薬品の入っていたビン類

  • 写真:注射器や注射針
  • 写真:医薬品の入っていたビン類

3.レジンペレット(樹脂粒)

硬質プラスチック製。2〜4mm程の粒で、多くが白色や半透明だが他の色も様々あります。
プラスチック製品をつくるための中間材料。この粒を溶かして着色したり、用途に応じて添加剤を加えて加工する。海鳥や魚の消化器官から見つかった報告例があるので、誤食による栄養障害や化学物質による影響が心配されている。
プラスチックの成型工場でこぼれたり、出荷・運搬時に漏出するものと見られる。また、ぬいぐるみや健康用具の詰めものや、パチンコ玉の洗浄などにも使用されている。
海岸の高潮線付近で細かなごみと一緒に見つかることが多い。

写真:レジンペレット

4.被覆肥料の殻(徐放性肥料)

レジンペレットによく似た2〜3mm程の球状の粒。中空で、指で押すとつぶれる。白、グレイ、黄褐色などがあり、草の実や生物の卵の殻のようにも見える。材質の多くはポリエチレンで、化成肥料をコーティングし、作物の生育にあわせてすこしずつ中の肥料が溶け出す仕組みになっている。化成肥料を直播すると、すぐに水にとけて流れてしまうため、コーティングによって肥料の無駄と追肥の手間を省くもの。日本では昭和52年ごろから稲作用を中心に、野菜や果樹、園芸用などに使用されている。

写真:被覆肥料の殻(徐放性肥料)

5.カキ養殖用のパイプとワッシャー

これらのパイプとワッシャーは、瀬戸内海や伊勢湾などの垂下式カキ養殖で使われているものです。カキ養殖は、種を植え付けたホタテの貝殻の間隔を保つため、採苗時は【豆管】と呼ばれる長さ1.5cmのパイプをはさみ、それを本養殖時に20cm程の【パイプ】に通し換えます(図参照)(本養殖時の通し換えは、地域によりロープに挟み込む,ロープにくぎを打つなど異なる方法もあります)。【ワッシャー】はその最下部の留め具となります。広島湾では養殖イカダ1台につき約24,000本のパイプが使用されます。これらは広島や愛媛など瀬戸内海のクリーンアップ会場で多量に回収される。多くは荒天で養殖いかだが壊れたときに流出するとされています。現在、回収されたパイプは一部の漁協で、引き取り再利用されている。

◀図:海洋工学研究所「プラスチックの海」より転載。

解説図:牡蠣養殖用パイプ

◀パイプ

形状:黒や青色の管状のプラスチック製。
穴の直径約1cm。長さは15cm〜30cm弱まで。

写真:パイプ

◀豆管

形状:黒や青色の管状のプラスチック製。
穴の直径約1cm。長さは1.5cm。

写真:豆管パイプ

◀ワッシャー

形状:ピンクや黄色等のカラフルなプラスチック製。
500円玉程の大きさ、中央に穴あり、厚さ2mm程。

写真:ワッシャー

◀撮影:2005 年ハワイ州オアフ島の海岸

中央の長い棒のようなものが日本のカキ養殖用のパイプ。
一度の回収作業で千の単位で見つかる海岸もある。★これらの一部は、北西ハワイ諸島に流され、アラスカ大学のステイナー教授がコアホウドリの幼鳥の死骸からこのパイプを発見したことにより、海鳥の誤食も問題となっています。

※長いパイプは、日本でしか使用されていません。

写真:日本のカキ養殖用のパイプ

6.ワディング

散弾銃の薬きょうの中を仕切るプラスチック製の器具。いろいろな色があり、単独で見つかる場合と、薬きょうと一緒に見つかる場合がある。弾に使われる鉛も、釣りの錘の鉛と同様に、自然界に放置された場合、鳥類が鉛中毒で死亡するなどの二次的汚染が問題となっている。

写真:ワディング

7.荷造り用ストラップバンド

梱包資材として使われる幅1.5cmほどの、堅いプラスチック製のテープ。色はさまざま。船荷の積み下ろしや、港で梱包をといて積み替えるときに外れて流出するのか、海岸に多く落ちている。

写真:荷造り用ストラップバンド

8.えさ入れ用のかご

アナゴやうなぎを捕るためのアナゴ筌け(うけ)(上)に入れるえさかご(下中,右)。虫かごによく似ている。筒型のものもある。東シナ海で多く使われているようで、韓国製が目立つ。日本海側の海岸に多数漂着する。

写真:えさ用のかご

9.フジツボよけリング

海苔養殖の支柱につけて、フジツボの付着を防止するためのリング。左のリングは硬質プラスチック製で10cm〜15cm、右はストラップバンドを輪にしてとめた簡単なもの。

写真:フジツボよけリング

10.海苔の養殖で、種苗を入れる袋

通常「種付け用袋」といい、俗称で「落下傘」とよばれている。この袋の中に海苔の種をつけた貝殻を2-3個入れ 、養殖網の間に渡す竹の棒に5-6袋吊り下げて使う。

写真:海苔の養殖で、種苗を入れる袋

11.黒くて結び目のあるコード

韓国でカキやホヤの養殖に使われるもの。結び目は貝と貝との間隔を保つためにつくられていて、このコードを切って収穫するため、結び目つきで海岸で見つかる。これに代わって、クリップのような器具で同様の役割をする製品が「孝行結び目」という商品名で発売されている。これで黒い結び目コードの漂着はなくなるか?

写真:黒くて結び目のあるコード

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