環境への悪影響
生物が本来のエサとごみを区別できずに、誤飲・誤食する。
生物の中には、人工のごみとエサの区別ができずに、間違えてプラスチックを飲み込んでしまうものもいます。こうした誤飲・誤食を繰り返す個体は、ごみが、胃などの消化器にたまり続け、エサを食べることができなくなり、死んでしまう場合もあります。
誤飲・誤食の被害例
レジ袋を飲み込んで死亡したウミガメ
水面のごみをついばむ水鳥
死んだウミガメの胃から回収した破片ごみ
イルカの胃につまっていたプラスチックシート類
死んだコアホウドリのヒナ3羽の胃から回収されたごみ
鳥の砂のうにつまっていたプラスチックの中間材料(レジンペレット)
生き物に漁網やロープなどが絡みついて、はずれない。
生き物の中には、好奇心でごみに近寄ったり、ごみの蔭に集まる魚を食べようと近づき、ごみが体の一部にひっかかってしまうものがいます。
ごみの多くがプラスチック(化学繊維)素材のため、とても丈夫であり、簡単にはずれることはなく、人間のように手を使ってはずすこともできません。プラスチックという素材だけでなく、その形状にも注意が必要です。
からみつきの被害例
漁網が首にからまったキタオットセイのこども
漁網にからまった状態で死亡していたウミガメ
リング状のプラスチックが口にはまった状態で死亡していたアザラシ
プラスチックホルダー(6パックリング)が体にはまった魚
プラスチックホルダー(6パックリング)が首にひっかかったガン
釣り糸にからまった状態で死亡していたペリカン
海浜植物の生育を阻害する
海岸に堆積したごみのために、海浜植物の光合成や、健全な生育が阻害されている場合があります。
海底等のヘドロ化
シート状のプラスチック(ポリ袋やレジ袋など)が海底等に沈むと、そのごみの下は、有機物が分解されにくくなり、ヘドロ化していきます。
ゴーストフィッシング
漁具や漁網が回収されずに海の中に残ると、生き物がその中に入り込んでしまい、出ることができず死亡していきます。この状態は、そのごみが移動したり回収されるまで延々と繰り返されるため、国際的にも問題となっています。