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21年前のプラスチック破片調査。マイクロプラスチックという名前はなかった・・・
2018/03/15
JEANが、海岸に散らばる細かいプラスチックのかけらに異変を感じて行動し始めたのは21年前のこと。
1997年の秋、クリーンアップで拾いきれない細かいごみの実態を知るために、北海道大学水産学部・小城教授方式による本格的な調査を敢行。一度きれいにしたICC後の海岸に10m四方の調査区画を波打ち際から陸地方向へ7つ設定し、残っていた細かいごみをフルイを使って集め、洗って乾かしてからひとつひとつ分類し、数を数えました。ようやく調査結果を発表できた時には年が明けていましたが、採集した人工ごみの個数は、最も少ない区画で52個、最も多い区画では32,258個。全7区画の合計数は53,489個、うちレジンペレット24,824(48.72%)、プラスチック破片24,321(47.73%)、発泡スチロール破片765(1.50%)で、このプラスチック3品目だけで97.95%を占めていました。
JEANは広域的な調査や改善提案に向けて働きかけを始めましたが、社会的にはまだまだ海ごみ問題への関心が低く、マイクロプラスチックという言葉もない20年も前のこと、財力のない環境NGOでは周知のための活動を細々と続けるしかありませんでした。
さらに2001年には、オーシャンコンサーバンシー(OC)がICCデータカードを大幅改訂し、プラスチック破片などの破片類を調査品目からすべて除外。量が多いことは確認できたからという理由でした。プラスチック破片の問題を早くから危惧してきたJEANとしては、これからさらに問題になっていくはずと考え、日本のナショナルコーディネーターとして日本のICCデータカードに日本独自の調査品目のかたちで残し続けました。現在はOCも2013年の再改訂時に改めて問題視して破片類の調査を復活させましたが、ずっとデータを取り続けた日本だけは、破片の調査に欠損期間がないということになります。
今ではマイクロプラスチックという名前もついて、様々な分野で研究されるようになり、魚や貝が体に取り込んでしまっていることもわかってきました。JEANでは、この"マイクロプラスチック"を知るための12枚組貸出写真パネルを用意しています。手で持って裏の説明文を読みあげて使えるA3版の紙芝居タイプ。ラミネート加工なのでクリーンアップの現場でも。東京農工大学の高田秀重教授監修。貸出料¥2,160(税込)+送料 申込・問合せ
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