クリーンアップキャンペーン結果
2016年結果概要
2016年のクリーンアップには、北は北海道から南は沖縄県まで313会場に延べ26,386人が参加し、164kmの海岸,河岸,湖岸,水中および内陸から、101トンのごみを回収しました。このうち秋に行われた「国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup; ICC)」には、8,476人が149会場に参加し、73kmの海岸および水中から一つひとつ丁寧に拾い上げられたごみの総数は、194,230個にも達しました。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。ここでは,2016年のICCの結果を報告します。詳しくは,「2016JEAN 年間活動&クリーンアップキャンペーンレポート」をご覧下さい。
図1 クリーンアップキャンペーンの推移
クリーンアップ会場
図2 2016年クリーンアップキャンペーン全会場の分布
都道府県別実施状況の比較
図3 2016年ICC参加者数TOP5都道府県,回収したごみの量(個数)のTOP10都道府県
総合ワースト10品目
ここに注目!
- カキ養殖用まめ管が6位!瀬戸内海におけるカキ養殖用パイプ問題はいまだ解決されていません。
流出起源(破片類,陸上起源,海域起源)の特徴
ここに注目!
- 「破片/かけら類」は、4品目中3品目がトップ10(27.8%)
- 「陸起源類(58.3%)」>「海・河川・湖沼起源類(12.1%)」
- 私たちが日常生活で使用しているプラスチック製品「飲料」「食品」「喫煙」「生活」が陸起源類ごみの9割以上
図4 総合ワースト10の構成割合&流出起源(破片類,陸上起源,海域起源)の特徴
総合ワースト10品目の26年間の推移
ここに注目!
- 総合トップ10品目は、26年間大きな変化なし。
・トップ3の出現頻度は、硬質プラスチック(24年)、タバコの吸殻・フィルター(21年)、発泡スチロール破片(17年)
・トップ1は、タバコの吸殻・フィルター(1990年代)から硬質プラスチック破片(2000年代)へ。
・26年間で順位上昇品目:プラスチックシートや袋の破片、飲料用プラボトル
・26年間で順位降下品目:花火(12位)
図5 総合ワースト10品目の1991年から2016年までの26年間の推移
まとめ
一度海洋に流出したごみは、海底に沈むと回収が困難となります。また海の流れによって広域に拡散していきます。これら海洋ごみの多くは、「飲料」「食品」「喫煙」「生活」など私たちの日常生活に起因するごみであり、海外からだけでなく、身近な街から河川を通じて海洋に流れ出しています。
今年は海洋における微小プラスチックが注目される年となりました。これは微小なプラスチックの海洋への流出だけでなく,JEANがこれまでICCを通じて警鐘を鳴らし続けてきました海岸や海洋中におけるプラスチックの破片化の進行によるものです。微小なプラスチックは、長期間分解されないため、海の流れに乗って広域に拡散し、人の手が届かない場所や海域さらには生物の体内へと集まります。よってプラスチックを海洋に流出させないことはもちろんですが,すでに流出してしまったものについては,破片化する前に海から回収することが急務です。
美しい海を取り戻し、それを維持して行くためには、今後もみなさんによるクリーンアップの取り組みが必要です。
過去の結果
過去のICC結果概要は以下からご覧下さい。